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自由な発想で地域にソリューションを提供する。

株式会社ソネット / 株式会社ソネット/テクニカルエンジニア

インタビュー記事

更新日 : 2023年09月15日

経営管理や生産性向上システムなどのソフトウェアを開発、製造している株式会社ソネット。独自開発でお客様の要望に寄り添う開発をしている。庄内地域の様々な企業のお困りごとに立ち向かう。それが結果的に地域の発展に貢献することになる。大手メーカーの下請けでなく、自由な発想でフレキシブルにソリューションを提供するソネットに話を聞いてきた。

株式会社ソネット 事業概要

1993年に創設された情報システム会社。ソフトフェアを中心にしながらも、ハードウェアの開発、製造、販売を行っている。またそれに付随したアイテムの製造販売も手がけている。大手メーカーの下請けとして製造販売をするのではなく、独自に開発し、経営管理ソフト「楽経」シリーズなどのヒット商品を生み出している。また、それぞれの顧客に応じた「受託開発型」のソフトウェア開発を行っている。コンサルティングを行い、どこにどんな困り事があるかを顧客とともに見つけ出し、それを解決するためのソフトウェアをオーダーメイドで開発する。そうして庄内地域を中心に見据えて開発を進めることで、地域の発展につながる製品を提供している。顧客は医療から建設、小売、製造など幅広い業界にわたっている。

ソネットで働く社員

オーダーメイドで課題を解決する

「自由な発想で、真に役立つソフトウェアを作りたい」そう話すのは、株式会社ソネットの代表取締役尾形泰弘だ。ソネットはソフトウェアやハードウェアの開発、製造、販売を行う企業。庄内の中小企業を中心に、医療から建設、小売、製造など幅広い業界のシステムを開発している。そこで出てくるのが先ほどの「自由な発想で」という言葉だ。大手ソフトウェア開発メーカーの下請けとなれば、仕事量などの安定性はあるが、開発の自由度は限りなくゼロに近くなる。反面、独自のメーカーとなれば、自由な発想でオーダーメイドのソフトウェアを作ることができる。「そうすることで地域の課題に対応するようなソフトウェアを作りたい」と尾形は話してくれた。「例えば、産直のシステム構築のお手伝いをしたものがあります。販売所のPOSデータと農家さんを紐づけることで、業務効率が改善できました。都心ではこういった限定的な規模の仕事はなかなかできません。地方であるがゆえにこのような小規模な課題解決も取り組める。そのためには自分たちで自由に創造できる環境が必要なのです」

ソネットはこのような開発の形を「受託開発型」と呼ぶ。顧客へのヒアリングの中から困り事をあぶり出し、どこにどんな問題があるのかを見つける。それを解決するためにオーダーメイドでシステムを構築する。あるいはソフトウェアを開発する。そうしてひとつひとつそれぞれの会社にあったソリューションを提供するのだ。また、独自の自由が可能にするのがハードウェアの開発、製造だ。例えば勤怠管理ソフトに加えて、体温記録などのコロナ対策や会議室などへの入退室管理システムのハードウェアも開発している。そうして「仕事全体」の改善、効率化を図っている。そうしたオーダーメイドの作り方のため、導入する業界は広い。医療関係の施設から、建設建築業、製造業、小売業、サービス業と、地域全体をカバーしているといってもいい。「ただ、庄内地域の基幹産業である第一次産業にはまだそれほど貢献できていないと感じています。農業、漁業の効率化、品質向上などいろいろな部分でできることはたくさんあるのではないかと思います。今後は従事者の方といろいろお話をしながら、第一次産業でも活躍できるようにしていきたいと思っています」と尾形は話してくれた。

地域の課題をヒアリングする

お客様に寄り添うという気持ちは現場で働く人間にも浸透している。今回お話を聞いた三人も話をしてくれた。業務部に在籍し営業などの業務を担当する土田裕はこう話す。「私は以前、半導体メーカーでバイヤーをしていました。その会社ではお客さんとの距離が遠かったんです。それが今は近い。加えて、お客様の不具合のときに訪問したときなどは、そのまま対応することもあり、反応を直接得ることができるのですごくやりがいがあります」と話す。また、続けて「そのときにお客様のサポートだけではなく、そこでお客様のお困りごとをさらに深くヒアリングし、新しいものを提案することもあります。そのとき自分たちでも気づかなったと感謝してもらえた時などは、この仕事をやっていてよかったと感じます」とも言っていた。不具合対応などもするということは営業だけでなく、テクニカルエンジニアとして働いているということだが、そのなかでコンサルタント的な仕事も自然と行っているという。

「地域課題の解決のためには、地域の困り事が耳に入ってくる環境があるということが必要です」と尾形はいう。まさにそれを体現しているのが、先ほど話をしてくれたテクニカルエンジニアとして働く土田だ。顧客のもとでヒアリングすることでさまざまな問題を見つけ、それに対する解決方法を考えていく。そのスタートがテクニカルエンジニアという立場なのだ。


開発自由度の高さがクオリティをあげる

そしてそれを形にするのが「受託型開発」だ。開発部に所属する加藤将和は受託型開発だからこそお客様と一体感が生まれるところが楽しいと話をしてくれた。「お客様からの要望をまず聞いてオーダーメイドでお客様といっしょにソリューションを作っていくというのはとても楽しい作業です。例えば既製品の導入サポートといった仕事では得られないものかもしれないなと思っています」


同じ開発部でスマホ向けのソフトやアプリを主に開発する齋藤孝紀も自由な発想が可能なことが仕事を楽しくしているという。スマホの技術革新はめざましく、すぐにそれに対応できるようになるには大きな自由度が必要となる。「自由な発想が可能ということ自体がやりがいであるのですが、それを使うお客様がいて、使ううちには困り事が出てくることもあります。そのため開発の時点で保守性を意識しながら仕事を進めています。そうすることでお客様の仕事はもちろん社内の仕事もスムーズになるのではないかと感じています」これも尾形は会社の歴史とともに同じことを話してくれた。「会社を創設したのは1993年です。その2年後に業界を大きく変えたwindows95がリリースされました。これによりパソコンとインターネットが一気に浸透し、私たちの仕事内容も変わっていきました。例えばブラウザやOSがアップデートされることもひとつの変革です。そうした革新に遅れることなくついていき、常にお客様が使いやすいものを開発製造していくのが至上命題です」という。


ソネットは自社のHPでも「ニッポンの中小企業を元気にする」と言っている。経済産業省の統計では、日本にある約420万社のうち、実に99%以上が中小企業だ。大企業といわれるものは都市部に多く存在することを考えれば、庄内地域を支えているのは中小企業にほかならない。それらの企業はさまざまな悩みを抱えている。それを解決することで地域が活性化していくのは間違いないことだ。そこに経営管理、業務改善、効率化、品質向上といったさまざまなジャンルに自由な発想で手を差し伸べるということは、地域を活性化するということと同義であるのかもしれない。