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庄内のランドマークとなる。水田に浮かぶホテルのいまとこれから。

YAMAGATA DESIGNグループ / SHONAI HOTEL SUIDEN TERRASSE/庄内の魅力発信担当(フロントスタッフ・レストランサービススタッフ:パート職)

インタビュー記事

更新日 : 2023年09月07日

当ホームページ「ショウナイズカン」の運営を行うヤマガタデザイン株式会社。2014年の設立以来、「これがあると庄内がよくなるよね」という地域の課題を出発点とし街づくり事業に取り組んでいる。SHONAI HOTEL SUIDEN TERRASSE(以下、スイデンテラス)やKIDS DOME SORAI(以下、キッズドームソライ)といった当初の事業に加えてさまざま新事業がスタートし、それに伴って会社の規模も従業員数も大幅に増加した。そのため本社機能を強化する目的で、2019年10月に人事総務部門と経理財務部門が新設された。元々は経営管理本部として1つの部だったものを、2つに分けそれぞれの機能を加速させる。今回は藤原俊介(人事総務部門)と四ツ井栄治(経理財務部門)の二人に、それぞれの仕事で目指すところ、そしてヤマガタデザインという会社で働くことの魅力を語ってもらった。

YAMAGATA DESIGNグループ 事業概要

山形庄内地方に拠点や縁を持つ企業の出資により、2014年に設立された街づくり会社。地域の課題を見つめ、地域が持続、自走する仕組みを創りだす事業を行っている。2016年スイデンテラス、2017年キッズドームソライに着工。2018年にはそれぞれの施設を開業した。これらのほかに、同じ2018年にUIJターンをターゲットにしたポータルwebメディアのショウナイズカンを開設、2019年にはヤマガタデザイン内で行っていた農業事業を分離子会社化してヤマガタデザインアグリ株式会社を設立した。そして同年11月には農業用ハード開発の子会社、有機米デザイン株式会社を設立した。2020年4月からは鶴岡市立農業経営者学校SEADSの運営にも参画する。このように事業は多岐にわたり、スピード感を持って展開をしている。また“事業として再生産可能なキャッシュフローを獲得し続けること”と明確に打ち出しており、言葉だけでなく確実なものとして未来への希望を持てる地域づくりを目指している。

山形庄内をデザインする

二人の話に入る前に、まずはヤマガタデザインとはどんな会社なのかということを簡単に紹介しておきたい。そのうえで、経営管理部門となる、人事総務、経理財務の観点から、二人にヤマガタデザインで働くことの魅力について聞いていきたい。

ヤマガタデザインという会社を一言でいうならば“街づくり会社”。山形庄内に拠点を持つ企業の出資により設立された。ヤマガタデザインにとって街づくりとは、地域課題を見つけ、それを“クリエイティブに事業として”解決することだ。まずは当たり前のことだが、地域の抱える課題を見つける。人事総務部門部門長の藤原俊介も「すべての事業が庄内もしくは世の中に必要だというところから始まっています。簡単に言えば“これがあるとよくなるよね”という地域の課題が出発点です」と言う。ただしヤマガタデザインをほかの街づくり事業と一線を画すものにしているのが“クリエイティブに事業として”という部分だ。

例えば、2014年に設立されたヤマガタデザインが最初に手がけたのがスイデンテラス。庄内の街づくり会社として「交流人口を増やす」というのを第一義的な目標として設立されたホテルだ。となれば、その目標達成だけを考えるならば例えばスペックだけを追求した無機質なビジネスホテルを利便性の高い土地に建てるということでもよかったのかもしれない。しかし、クリエイティブで、事業として成立するホテルとするために選んだのは、水田のなかに佇むホテルだった。

設計はフランス芸術文化勲章コマンドゥール(2014)、プリツカー建築賞(2014)など数々の賞を受賞している世界的建築家、坂茂氏。坂氏が「四季折々表情を変える水田風景に、いかに建築を調和させるかが重要でした」(公式HPより)と言うように、庄内の原風景ともいえる水田を活かした“クリエイティブ”なホテルだ。事実、そのホテルそのものを観に来たという観光客も訪れるほどだ。

庄内地域の課題を解決することを出発点としているが、先に述べた通り、事業としても持続可能に成立し続けるものを目指している。そうして地方都市に経済を育み、地域内での投資循環を生み続ける仕組み作りが、ヤマガタデザインの事業だと言えよう。

従業員に安心とモチベーションを

そんな街づくり会社ヤマガタデザインが、人事総務部門、経理財務部門の2部門で人材を募集する。そこでそれぞれの部署から藤原俊介(人事財務部門)、四ツ井栄治(経理財務部門)の二人を招きヤマガタデザインで働くという魅力を聞いた。

--人事総務部門は2019年10月に正式に発足された部署だそうですが、その経緯を簡単に教えてください。

藤原:当社ではもともと経営管理部門という所謂バックオフィス機能を持つ部門と、事業推進部門という各事業の立ち上げ拡大を横断的にサポートする部門がありました。2014年の設立以来、スイデンテラス、キッズドームソライなど多くの事業を計画し、それらが2018年に一斉にスタートした結果、2017年時にはパートを含めて約10名だった従業員も2020年2月時点では約170名に増加しました。さらにその後も農業事業もスタートし、合計6つの事業を運営しています。
それぞれの事業は有機的につながっているものの、日々の運営スタイルや場所は違います。そこで各部門を繋いで、会社として成長する仕組みが必要になったと考え、事業推進部門を解体し、経営管理本部を人事総務部門と経理財務部門に分けて、会社全体としてのヒト・モノ・カネの管理や成長を強化する体制になりました。
人事総務部門設立の存在意義の一つは、従業員に安心とモチベーションを感じていただき活き活きと働きながら、成長出来る環境つくりです。この規模の従業員となると個々人の考えだけでなく、会社としてきちんと組織体制や仕組みを整備しないと、動きがバラバラになってしまう。その人事関連のインフラ作りと運営をするために元々あった総務労務機能に、人事機能を追加して独立しました。

四ツ井:事業の数が増えていくというのは、経理財務の仕事にも直接関係するところですね。さまざまな事業を手がけていること、そしてその事業の進化、変化していくスピードが早いことから、経理財務部門にもより「正確さ」と「スピード」が求められます。数字を早くまとめて経営陣に伝え、迅速な経営判断につなげることが重要になってきます。

新規事業に“再現性”のある道しるべを

--それではそれぞれのお仕事の目指すところを教えていただけますか。

藤原:さきほども言ったように、従業員に安心とモチベーションを感じていただき、活き活きと働き成長出来る環境つくりがまずひとつの大きな目標です。ヤマガタデザインで働いてよかったなという価値を見出す。その先に個々人の成長があって、さらにその先には会社の成長があるという考えですね。

四ツ井:経理、財務の仕事としてはきちんと数字を把握する、その数字を会社や株主へ報告といったように、きっとどの会社でもやっていることと同じだと思います。私は前職で会計事務所に勤めていたのですが、そこで扱う企業はひとつの事業に特化した会社が多かったんです。だからある程度ルーティーンがあって、それに沿ってやればよかった。忙しい時期はもちろんありましたし、やりがいのある仕事ではありましたが、ヤマガタデザインではまた違ったやりがいがあります。
そもそもそのルーティーンがないというところからのスタート。まず再現性のあるルーティーンをそれぞれの事業に対して作っていくということをしなくてはいけません。そのためには出された数字を淡々と処理していくというだけではなく、能動的に事業に関わっていかないといけないんですね。そこがもっとも大きな魅力です。

藤原:人事総務も再現性は必要。汎用性の高い仕組みを作っていかないと思っています。急速な事業拡大には人に依存する、属人的な要素も必要ではありましたが、今後の成長の加速には仕組み化も必要だと考えています。

会社の進化、成長をデザインする

藤原:当社はスイデンテラス、キッズドームソライ、ショウナイズカン、農業生産、農業人材育成、農業開発とすでに6つの事業が走っています。そして今後も事業は増え続けていくと考えています。それだけに変化のスピードが激しい。だから細かく言えば職務権限をトップダウンのみにしてしまうと、全てに対応できず細かい点に対応できないため、各個人が考えて動ける仕組みも同時に創っていかないといけない。そのほか新しいことも多いので、事業がうまく回るような仕組みづくりから始めないとダメなんですね。既存の制度や仕組みを変化させたり、新しく考えることで、それぞれの事業を加速させるインフラを作る。それは先回りできる能力だと思っています。それぞれの事業や会社そのものの“先”を想像しながら、デザインしていくということですね。

四ツ井:たしかに変化が激しいので、経理財務としても人へのコミュニケーションがものすごく大切です。いろいろな話や数字を素直に受け入れつつ、疑う。疑うというと変ですが、それぞれきちんと検証することが必要です。数字の裏側にある背景や人の気持ちを理解しながら、臨機応変に取り組める人だとこの仕事は本当にやりがいがあると思います。

藤原:事業は多いですが、それぞれの横のつながり、そしてシナジーが生まれる仕組みを考えないといけないですよね。私たちが向き合う事業は全て高速で変化しているので、横断的な仕組み作りとなると、高い調整能力や全体を俯瞰する視座が求められます。だからこそ、四ツ井の言うように変化を楽しめる人だといいですね。ゼロから1を作り出すのを楽しめる人。既存のものに関わらず、新しいこと、新しい仕組みづくりにチャレンジできる人。そんな人だとこの環境はものすごく大きなやりがいがありますね。私達の部署は直接事業運営をしているわけではないですが、その分、会社の未来を常に想像しないといけないと思っています。それはつまり経営の近くで仕事ができるということでもあるので、そういう意味でとてもクリエイティブな仕事だと思います。

2014年の設立からすでに新規事業を6つ立ち上げるというスピードで展開していくヤマガタデザイン。しかもそれぞれが既存の概念にとらわれず常に時代や環境に沿うように変化していく柔軟さをもったもの。その変化もまたスピードが早い。そんなアクティブで刺激的な環境がそこにはあった。