文系だけど技術職も体験
松本は導管事業本部都市ガス供給部設備保全グループで働く新卒4年目の女性社員だ。
新築戸建て住宅やアパート、リフォームに伴うガス工事の設計および監督業務を担当する。
「現場の監督業務ではさまざまな業者の方とコミュニケーションをとって進めていかなければいけない。そこで信頼を得るためにわからない所を一生懸命勉強しています」。扱うのはガスという経済や人々の生活に直結する重要なインフラだ。松本は責任感と危機感を常に抱きながら、新しい知識を吸収することの大切さを意識して仕事に取り組む。

富山の高校を卒業後、京都の大学へ進学した松本。
文系卒ということもあり、「就職先は事務か営業の仕事しかない」という先入観があった。
しかし、そんな先入観は日本海ガスという会社に出合ったことで一気に吹っ飛んだ。
もともと、関西の企業に就職するつもりだったが、地元富山の企業も少し見てみようという思いから、富山県の合同企業説明会に参加。
そこで初めて日本海ガスのことを知った。強い入社希望があったわけでもなく、興味本位で日本海ガスが開催していた1日のみで完結する就業体験「1dayインターンシップ」に応募した。
ここで魅力を感じたのが「様々な部署を経験し、学んでいく」という従業員の育成手法だった。
「文系卒の私でも、技術の仕事を経験できることが入社のきっかけのひとつだった」と松本は振り返る。
インターンでショールームでの製品紹介を体験した際、人事担当や先輩社員が丁寧にサポートする姿に「会社の優しい雰囲気」を感じ取れたことも入社を後押ししてくれた。
相手の立場になって対応できる社員育成
松本が入社した年の新卒は松本を含め5人(男性4人、女性1人)。
約1カ月間の新入社員研修では、ビジネスマナーや他グループ会社でのOJT(実際の業務を通じた教育訓練)、グループでのディスカッション(討論)など多岐にわたる。
その中では、「相手の立場に立ち、思いを共有し理解できる人」になることの重要性を説かれる。

これは日本海ガス絆ホールディングスグループが社員に求める最も重要な要素のひとつだ。
人と関わる機会が多い仕事柄、お客さまや業者の方だけでなく、社内の仲間に対しても相手の立場に立って対応できる能力を養う。
色々な人と対面する機会を多く設けた研修制度や幅広い部署を経験させる育成手法は、すべては「相手の立場になって考える」ことにつながってくる。
高まる女性社員の重要性
松本が研修後、最初に配属されたのはショールームPrego(プレーゴ)だ。
ここでは、最新キッチンの体験やミストサウナ、衣類乾燥機、床暖房などを来店した人に実際に体験してもらい、その使い心地や快適性を伝える。
ただ単に商品性能を伝えるだけではない。
キッチンを使った料理教室や教養講座などのイベントを定期的に行うことで、地域の家族や親子連れを呼び込む〝集いの場〟としての機能も発揮している。
そんな現場を取り仕切るのは女性社員である。
松本が配属されたショールームはスタッフが8人で、責任者である館長以外は女性スタッフで構成されているのが特徴だ。
「スタッフの中には育児と仕事を両立されている方もいました。急な家庭の都合で休まなければならないときでも、残りのスタッフで業務を分担してスムーズに業務に取り組むことができていた」と松本。女性の集まる職場ならではの配慮が行き届いていることを強調する。
日本海ガス絆ホールディングスグループでは、仕事と家庭の両立支援のため、さまざまな取り組みを行っている。
女性社員の育休からの復帰100%はもちろん、男性社員の育休取得もサポートしている。男性の育休取得は現在5人の実績があり、今後も会社として推進していく方針だという。

また、仕事と育児の両立支援のために勤務時間短縮制度も小学3年生になるまで取得可能だ。
お客さまの大半が女性であることも考慮し、女性の感性を継承できる女性管理職や女性リーダーの育成にも積極的だ。
技術職への移動の不安
入社の決め手としていた技術職への異動となったのは2021年1月。
女性色の強かったショールームとは異なり、新しい職場は男性だらけの職場で「半分楽しみ、半分不安な気持ち」だった。
「現場監督として(高い専門性が求められる)業者の方々とやりとりができるのかが特に不安だった」という。

だが、その不安は的中する。
「最初はわからないことばかりで、業者の方から工事について質問をされてもすぐに答えることができず悔しい思いをした」と松本。
この経験から、分からないことは積極的に先輩に質問し、自分の口で質問に答えられるよう勉強に励んだ。
冒頭に松本が言葉に込めた〝信頼を得るための勉強〟の重要性は苦い経験から得た教訓である。
京都と富山
学生時代を京都で過ごし、当初は関西で就職を希望していた松本にとって、富山での暮らしはどうなのか。
「もちろん、富山に比べて京都の方が観光名所も多く、遊ぶところも多い。寺社仏閣めぐりが好きだったので最高の場所でした」
そんな生活環境での暮らしをあきらめ、富山に戻ってきたのは「友達や家族の存在が大きかった」という。
「やはり帰省したときに家族や友達に会い、楽しい時間を過ごすことで、地元の温かさを感じることができた」と松本。
「実際に富山で就職して、仕事やプライベートで悩みができたときでも、すぐに頼ることができる家族や友達の存在に助けられています」と、実生活においても家族や友達との〝絆〟が松本の生きる力を支えているようだ。
そんな松本が「京都にも負けない」と豪語する、お気に入りの場所が高岡市にある国宝・瑞龍寺である。
中世の中国の寺院建築を模して建立されていて、「総門」「山門」「仏殿」「法堂」が一直線上に配列されている。
すべてが欅(けやき)で作られており、広大な敷地に緑の芝生が映え、晴天時には青空とのコラボレーションが荘厳な景色を生み出す。
季節ごとにライトアップされ、最近ではプロジェクションマッピングを用いた演出で訪れた人を楽しませている。
他にも、南砺市の井波彫刻の迫力を感じることができる「井波別院瑞泉寺」や射水市の縁結びのパワースポットで話題の「櫛田神社」など富山県内に点在するユニークな寺社仏閣がお気に入りのようだ。
寺社仏閣めぐりだけでなく、「散歩は私にとってかけがえのない大切な時間」という松本にとっては、雄大な富山の自然の中で愛犬の「ちっぷ」と一緒に散策することが休日の楽しみのひとつだ。
お気に入りの散歩場所は、芝生広場や歩きやすいクロスカントリーコースが備えられている「県総合運動公園」とのこと。
富山には常願寺川や神通川といった大きな河川があり、河川敷にはさまざまな公園や散歩コースがあるとアピールする。
進化論を唱えたダーウィンの名言に「唯一生き残ることができるのは、変化できる者である」とある。
日本海ガス絆ホールディングスグループは、従来のガス会社ではなく、地域を支えることに主眼を置いた総合エネルギーグループとして、まさに〝変化と進化〟を繰り返し、成長している。型に捉われない発想力、豊かな想像力、そして新たなことへチャレンジする行動力、これらを駆使して会社を発展させていく。そんな未来を描きたい熱意を持った仲間を募集している。
※取材中はマスクを外してお話していただきました。