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家具・インテリアを通じ快適な生活空間の創造をお手伝いします

株式会社 米三 / 営業職

インタビュー記事

更新日 : 2023年01月10日

家具・インテリア・雑貨の販売から住空間のトータルコーディネートを手がける株式会社米三。富山県内では誰もが知る、長く愛されている老舗企業だ。

 

今回は2022年に新入社員として入社した女性3人の座談会と、営業職を務める男性1名のインタビューをお届けする。

 

松井律濃

富山南店

入社1年目

  

小倉舞花

ファニチャーパークケースリー1階 ホームファッション

入社1年目

 

重間友莉香

ファニチャーパークケースリー2階 ファニチャー

入社1年目

 

吉田聡

ファニチャーパークケースリー ホームステージング

入社6年目

株式会社 米三 事業概要

米三のはじまりは、江戸時代初期の1600年代に遡る。武家に生まれた初代増山三郎兵衛は、現在の袋町で米・油・本などの商いを始めた。1848年、幕末の動乱期には7代目三郎兵衛が能登の漆器に目を付けて、事業を転換。これが功を奏し、「北陸に米三あり」と称されるまでに名声が高まった。

 

しかし戦争によって、状況は一変。商店街は強制疎開をさせられ、米三の店舗は取り壊された。さらには1945年8月2日の富山大空襲によって、富山市は焼け野原となった。

 

終戦後、疎開先から戻った女商人の9代目増山ひなは、焼け跡に仮店舗を設けて商売を再開。箸やお椀など、ものを置くだけで飛ぶように売れる時代ではあったが、老舗としての信頼に応えるため、品質第一を貫き通した。9代目による「お客様第一」「ひとりひとりのお客様を深く知る」「商品をよく知る」「商品の使われる現場を知る」という、今日でも通用する商法により、お客様からは厚い信頼を得た。

 

1971年、10代目増山精三郎は大きな決断をする。鉄筋7階建ての県内最大規模の店舗を建設したのだ。さらには、従来の老舗商売ではいずれ生き残れなくなるという考えのもと、漆器中心の商売から、家具へと方向転換。スチール家具などの取り扱いを拡大したり、部屋のレイアウトや木製造作家具の図面を描くデザイナーを登用したり、空間コーディネートに対応できるショールームを開設したりなど、全国的にも前例のないチャレンジを始めた。その結果、婚礼家具としての需要も相まって、事業は急拡大を見せた。また、一般消費者向けだけでなく、オフィス家具の製造・販売をする法人向けのコントラクト事業を手がけるようになった。

 

「モノからコトへ」と消費が移り、米三として厳しい時代に突入している今、注力しているのは「選ばれ続ける店であり続けること」だ。店舗も常にリニューアルを重ねている。特に、2016年6月にリニューアルしたファニチャーパークケースリーは、体験・体感・参加型を取り入れたりなど、基本の枠組みを覆す、新たな店舗として、現在も多くの人から愛されている。

 

事業拡大にも意欲を見せている。新たにEC販売や眠りに特化した店舗、エアコン取り付けなどの生活支援サービス事業に着手。法人向け事業としても、モデルルームや住宅内見会用に空間を演出するホームステージング事業を開始した。2022年9月には、資源循環型複合施設「トトン」をオープン。家具を捨てず、新しい価値を生み出す取り組みを進めている。

 

最近では、社内制度の変革にも注力している。これまでは社員のマンパワーで信頼を獲得してきたが、今の時代を考えるとそれだけでは不十分だ。また、社員のエンゲージメントを高めることが、企業としての価値を高めることにもつながる。これらの考えのもと、基本の接客をまとめたガイドブックを作ったり、人事評価制度を確立したり、社員がもっとやりがいをもって働ける環境づくりを目指して、プロジェクトを進めている。

 

企業理念である「すべてはお客様のために」という、いつの時代も変わらない信念のもと、時代の流れに合わせた変革を続けている米三。今後の進化に、富山県内から期待のまなざしが寄せられている。

知識が全くない状態からのチャレンジ

 

女性社員が多く活躍している米三。2022年に新卒で入社した女性3名に、米三に入社した理由や、働き方のリアルを伺った。

 

 

松井:富山県出身で、山形県米沢市の大学に進学しました。大学で外に出たことで、富山の良さに気づいたんです。家族や友人もそばにいて安心だし、雪も東北ほどは降らない。方言にも親しみがある。家族のすすめもあって、富山県内で就職活動をしました。

 

大学時代にアルバイトで接客業をしていたので、企業選びでは接客業で、かつ自分が名前を知っている企業を探しました。そこで米三に出会ったんです。

 

小倉:私も富山県内で、かつ接客業で働きたいと考えていました。米三のことは元々知っていたのですが、合同企業説明会に行ったときに、家具だけでなく、生活支援サービスなどいろいろな面から暮らしをサポートしていることを知って。元々インテリアが好きだし、ここで働いたら楽しそうだと思い、入社を決めました。

 

重間:私は専門学校でブライダル系を学んでいたのですが、コロナ禍もあってその道は諦めざるを得ませんでした。父が建築家、母がインテリアコーディネーターで、幼い頃からインテリアに興味があったため、インテリア業界に絞って就職活動を行いました。

 

中でも米三は、店舗の見学で活気を感じて、お店の雰囲気もよかったことが印象的でした。店長や人事の方もすごくフレンドリーだったのも魅力的でしたね。

 

ただ、インテリアもデザインも知識が全くない状態だったので、本当に務まるのか不安はありました。面接の時に質問したところ、未経験から入社した方もたくさんいて、働いているうちに学べるから心配ないよと言っていただけて、安心できました。

 

小倉:私は職場の雰囲気が分からないことが不安でしたね。ただ、新卒社員から入社前に実習があったり、社員の方々と交流する機会がありました。皆さんやさしいし、仕事のイメージもついたので、これなら頑張れそうだと思えましたね。

 

 

 

分からないことがあっても聞きやすい環境

 

 

小倉:入社後は2ヶ月間の集合研修を経て、ケースリー1階の食品とキッチン売り場に配属されました。仕事内容は接客がメインで、それ以外にも発注や品出し、ポップ作成、SNSの運用なども担当しています。

 

重間:現在はケースリー2階にあるベッド売り場を担当しています。基本の業務は小倉さんと同じで、ほかにはSNSの運用も担当しています。

 

松井:富山南店でアクセサリー売り場を担当しています。ケースリー配属の2人はすぐに売り場が決まったようですが、私の場合は4ヶ月間富山南店すべての売り場を回り、10月から現在の配属になりました。業務としても、今期のデータ分析や来期の仕入れなども担当しています。

 

南店は規模が小さいため、ほかの売り場の知識も必要になりますし、電話の応対も担当します。お客様から、専門ではない分野について聞かれることも多くあります。ただ、周りのスタッフがサポートしてくださるため、そこまで困ることはありません。新入社員が配属になったのは久しぶりらしく、「分からないことあったら抱え込まずにすぐ相談してね」といっていただけて、とてもありがたいです。


 

小倉:私も売り場の方々には同世代の人がおらず、年上の方が中心です。皆さんすごく優しく、我が子のように接してくださります。皆さん積極的に話しかけていただけるため、こちらからも相談しやすいですね。仕事の幅もどんどん広がって、成長できている実感があります。

 

重間:ベッドは商品の単価も高く、より知識が必要になる分野です。はじめの頃は自信がなかったのですが、売り場の方はもちろん、店長や副店長にも教えていただいて。週1回は新商品の発表会があり、ときには自分が発表を担当します。またInstagramの投稿においても、情報を調べてからアップするため、自然と商品知識が身に付いてきました。

 

最近では仕事にも慣れて、自信を持って接客できるようになってきたと思います。先日、母に仕事について話していたとき、「先のことを考えて行動できるようになったんだね」と言われました。たしかに、上司から指示をもらって、自分でどうしたら効率的になるかを考えて動く、そんな力が身に付いたように思います。周りからも評価してもらえるくらいに、成長できていることがすごく嬉しいですね。

 

松井:店舗によって仕事内容や雰囲気に多少違いはあるものの、皆さんすごくやさしく教えてくれて、自然と成長できる環境ですよね。

 

小倉:そうですよね。皆さん私たちを気にかけてくれて、仕事もしやすいです。

 

 

社会人として成長を実感

 

重間:休日に関しては、想像していたよりも取りやすかったです。私は友人と遊ぶことが好きですが、友人も大学や就職で休みが取りづらいんです。そんなときにも、私が友人に会わせて休みを取ることができるので、とても助かりますね。仕事も遊びも両立できていると感じます。

 

学生時代と比べても、当時が学業とアルバイトでほとんど時間がなかったので、今の方が休みがあるんです。最近は新しい趣味を始めたいなと思っています。

 

小倉:重間さん、すごいですね(笑)。私は真逆で、学生時代はのんびり過ごしていたので、仕事をはじめて時間がたつのはすごく早いなと感じます。時間を意識して行動するようになりましたね。

 

松井:私もです。仕事を始めてからは、残業をすることも多く、家に帰る時間が遅くなることがあります。大学時代は授業をサボったりして(笑)、だらだらと時間を過ごすことも多かったんですが、今はできなくなりました。でもその分、休みの時間を使って新しいことを始めようと思ったりして、ハリのある生活を送れている気がしますね。

 

社会人になったことで、成長を実感しています。たとえば敬語について、当初は電話応対で焦ってしまい、『~ですよね』といった、砕けた口調になってしまうこともあったのですが、最近では焦らなくなり、しっかりと対応できるようになりました。礼儀といった基本的な社会人のスキルが身に付いたと感じます。

 

 

小倉:公私ともに成長できている実感がありますよね。

 

今後については、まずはスキルアップです。キッチン売り場は、品数も多くて、まだまだ知識が足りていません。もっと知識を深めて、質の高い接客をしたいです。いずれはバイヤーとして、仕入れなども担当できるような人材を目指していきたいですね。

 

松井:私は1階にいることもあり、専門以外の分野についてお客様から話しかけられることが多くあります。これからは自分の担当範囲以外でも、自分からお客様に話しかけて売上につなげていけるようにしたいです。

 

担当売り場についても、もっと深く知り、データのことなど先輩社員からの質問にすぐ答えられるようになるくらい、スキルアップを目指していきます。

 

重間:私も、最近やっと普段の接客に自信がついてきました。これからもっとお客様に積極的に声をかけて、良い接客をして、売上にもつなげていきたいです。

 

また、米三には新入社員でも意見を出して、良い会社づくりをしていく文化があります。私が接客について提案をして、実践していただけることもあります。これからも意見をどんどん出して、良い売り場づくりに貢献していきたいですね。

 

 

家具が使われる場を知ることで、普段の接客にも変化が

 

お客様のためを考えながら、毎日生き生きと働いている3人。1年前まで学生だったとは、到底考えられないその姿から、米三が長年大事にしてきたお客様第一の文化が今も尚、受け継がれていることが伝わってくる。

 

さて、次は入社6年目の吉田に注目する。現在、ホームステージング事業の営業を務める吉田。米三に入社したのには、運命的な出会いがあったからだという。

 

「中学生のとき、実家のリフォームの際にケースリーを訪れました。家具ってこんなにもたくさんあるんだと知って、すごく楽しかったんです。そこから、建築に興味を持つようになり、就職活動でもインテリアや建築系を探しました。

 

合同説明会に参加したとき、ソファの写真が目に入りました。そこで話を聞いてみると、自分が中学時代に感銘を受けたお店だと気づいて。しかも、家具以外にもたくさんの事業をしていることを知り、いろいろなチャレンジができそうだと思い、入社を決めました」

 

その後、店舗での接客やバイヤーを経て、2020年にホームステージング事業に異動になった吉田。ホームステージングとは、元々は1970年台のアメリカで生まれた手法である。不動産に家具を飾り付けたところ、普段よりも売れ行きが良かったことから日本でも広まりを見せた。お客様にとっては生活のイメージがつきやすく、不動産にとっても物件販売期間を短縮ができ、価値を向上させることにつながる。日本でも近年広がりつつある手法に、米三も参入を決めたのだ。

 

 

「ホームステージングにおいて、米三は県内では後発に当たります。新規獲得に重点を置いて、営業をしています。飛び込みをすることも多いですね」

 

部署のメンバーは吉田を含めて3人。うち1名は、小物のコーディネートを担当する。少数精鋭のメンバーが活用しているのが、最新技術である3DVRを用いた接客だ。

 

「ある施主様は、3DVRで配置してみた映像で見え方を確認した結果、ソファをご購入されました。ホームステージングで商品を入れてみるのにも費用がかかりますし、イメージと違うとのことがあれば大変です。事前に不安を解消できるツールを用意することが、お客様からの信頼につながっていると思います」

 

ホームステージングの営業は今までとは全く毛色の異なる仕事だ。どう感じているのか、率直な感想を聞いてみた。

 

「今までは、家具メーカーさんから営業をかけられる立場だったのが、自分から営業をかける立場になり、非常に大変な仕事なんだと思い知りました。ただ、やりがいもとても大きいですね。あるハウスメーカーさんからは、お客様がソファに座り、『ああ、こんな感じになるんだ』とつぶやいたと聞きました。今までの家具を置かない販売スタイルでは見えなかった世界が見えたとのこと。ホームステージングによって、貢献できることに喜びを感じましたね」

 

土日には、ケースリーで接客を担当する吉田は、お客様との接客においても、ホームステージングの経験が生きているという。

 

「これまで店舗の販売や仕入れをしてきても、実際に購入したお客様がどんな家具の使い方をしているかまでは見えにくかったんです。この仕事で新築の住宅に入るようになってから、今以上にお客様の家庭事情が見えやすくなり、普段の接客に活かされていると感じますね」

 

 

これからも新しいチャレンジを

 

家庭の事情も相まって、通院などの休みを取ることも多いという吉田。シフトの融通が利くのかどうかは、当初は不安だったという。

 

「入社してみると、意外にも休みが取りやすくて驚きました。当日朝に急遽お休みをいただくこともあるのですが、上長も対応してくれて。非常に助かりますね」

 

 

職場の雰囲気について、新入社員3名からはやさしい雰囲気とのことで満場一致だったが、6年目の吉田からはどう見えているのだろうか。

 

「個性や癖のあるメンバーが多いなと思いますね。また、新入社員に対してはやさしくする文化があります。僕自身も入社当初は分からないことばかりだったんですが、『何回も聞くな』とか言われたことは一切ありません。下のメンバーがつくようになった今、新入社員には積極的に声をかけるようにしていますね。

 

というのも、それぞれ期待される役割があると思うんです。責任のある人には、その立場に求められることがありますし、ベテランにはベテランにしかできないと思います。一方で新入社員に求められることは、何よりも元気で前向きなことだと思うんですよ。だからこそ、元気に仕事にあたってほしいなと思っていますね」

 

社員が一丸となって、職場の良い雰囲気作りに努めていることがわかる。

 

最後に、ここまで読んでくださった方へのメッセージを聞いてみた。

 

「入社以来、新しいチャレンジをたくさんさせていただきました。これからもどんどんチャレンジしていきたいですね。家具やインテリアに興味のある方はもちろん大歓迎ですし、そうではなくてもいろんな価値観を持った人が入ってくれれば、米三にとって新しい風になります。興味を持ってくれた方と、ぜひ一緒に働きたいですね」

 

米三にはほかにも、一般企業や官公庁へ造作家具を納入する部署もある。納入先は学校や病院、駅や商業施設など多岐にわたり、商品も大勢の人に使われるベンチやカウンター、本棚やロッカーなど一つとして同じ仕事が無い。常に新しい出会いと発見の連続の楽しくてやりがいのある仕事が揃っている。

 

老舗としての信頼や礼節を重んじながら、常に新しい風を追求し、チャレンジを続けている米三。今後も、新たな仲間とともに富山県に新しい風を吹かせてくれることだろう。